日本産淡水魚・熱帯魚編 - 淡水魚話 - 2000年

2000.05.21  Gnathopon elongatus elngatus

5月第3週  暑い日が有るかと思えば雨が降ると少し肌寒く感じ、これから梅雨にかけて私達にとっても 結構体調を壊しやすいシーズンです。我が家の水族達は今のところ皆さん元気に遊泳しておりますが 、油断をすれば病気にかかりやすい時期でもありますので、毎日の観察は念入りに行うようにしております。 比較的丈夫な魚たちなのですが、過去には管理不行きとどきがあり、今もって少なからず反省を繰り返しております。実際のところ体調不良は行動や体表に現れてきますので、早期発見で隔離し、それなりの手立てを行うのが私のようなアバウト管理者には必須のようです。(コミュニケーション不足はいずれの社会も良い結果を生まないものですよね) 今までの経験では病気が進行してしまってからの投薬治療での水槽復帰率は残念ながらかなり低い数字になっております。 今日もまた魚たちを見ていると、いつもは遠くからこちらを伺っているタモロコ(写真)が珍しく寄ってきてくれました。なかなかのプロポーションで体調は良さそうですね。 それはそうと毎日水槽を食い入るように覗いている様子は家人からすれば少し奇異に映るようですが…。

更新日付:2000.05.21

2000.05.28  Rhinogobius brunneus

5月第4週  今週は水槽の下層水域で行われている大好きなヨシノボリの行動を観察してみる事にしました。一見、平和そうなこの水域にも静かな戦いが日常において繰り返されております。古参のヨシノボリは新人ヨシノボリに王座を明渡すまいと懸命な努力を繰り返し、 新人はその戦略テクニックに我武者羅に立ち向かっていく…。彼らの社会で負けは致命傷ですからここは正に戦国時代、戦場を彷彿させる情景なのでしょうね。見ている私にすればどちらもかわいい連中で威嚇しあう表情も愛嬌タップリ。それでも犠牲者が出て修羅場になりそうな時は、フィールドを分ける事も検討しなくてはいけませんが、今のところはそれなりの均衡が保たれているようです。 管理人の私としては、できるだけ無駄な戦いを避けて犠牲者を少なくする環境をつくるのが、闘争癖のある彼らに対しての最低限のモラルではないかと自問自答を繰り返しております。しかしながら、その闘争の発端が、夏になれば何処からともなく水槽に運ばれてくるヨシノボリの輸送人の私に有る事など、彼らは知る由も無く…。
今週は私のお気に入りの古参ヨシノボリ氏(写真)、その風体に何処となく哀愁が漂っているようには見えませんでしょうか。

更新日付:2000.05.28

2000.06.04  Rhodeus ocellatus ocellatus

6月第1週  6月に入り梅雨を目前に控えてこの時期、なるべく天気の良い日には魚採取に出かけようと考えているのですが…。
今週も雑居水槽の面々は食欲旺盛で問題なく過ごせたと言うところでしょうか。最近、幼児期に採取してきました連中については、まず、別室へ。病気や相性の問題をクリアーしたものから順に雑居水槽に移行する形をとっております。以前にもお話したように、急な環境変化はストレスを生み、病気を少なからず誘発します。先月入居しましたニューフェイス達も現在単独水槽での監視管理中です。こうした期間を経ることにより、以前からすればかなりのトラブルを回避出来ていると確信しております。現在、幼児期のヨシノボリ、ドンコ、ヌマチチブはしばらくは単独生活ですが、いずれの個体も現状では問題となる個所は見受けられませんので、近い将来、デビューということに…。

更新日付:2000.06.04

2000.06.11  Rhodeus ocellatus ocellatus

6月第2週  今週はウィークデーに晴天が続き、まるで梅雨明け後の天候の様でしたが後半には近畿も入梅となり魚採取の事を思うと意気消沈というところです。最近、我が家では水槽の水替えは部分換水を一週間に一度。交換の水は庭に常設の水槽に水道水を汲み置き、数日間炎天下に晒したものを使用しております。現在、我が家の水族連はみなさんこの水の恩恵を受けて問題も無く育っております。以前は水道水にカルキ抜きと金属除去の定番商品を添加した直後の水で交換を行っていましたが、メンバーの多様化に伴い、飼育水が汚れやすい連中の為の頻繁な水交換などには、汲み置き水のほうが容易でなにより安心できることを考慮しての事です。…が、しかし私事ばかりを優先するといろいろな弊害が起きるもので、我が家の園芸部からすれば庭に突如、水槽が設置され、ただ水が張られているだけのスペースはまったく理解しがたいようで。それでなくとも家には水槽が少なからず幅をきかせているだけに…。
魚飼育に限らず生き物を飼うということは実にいろいろな問題を包含して、難しいものですね。みなさんのお宅では円満にお魚達と暮らせておられるでしょうか。水替えを終えてしばらくするとタイリクバラタナゴが寄ってきてくれました。婚姻色が綺麗です。

更新日付:2000.06.11

2000.06.18  Rhinogobius brunneus

6月第3週  今週もお魚達にはご機嫌うるわしく、毎日の日課並びに習慣を無事に過ごされたというところでしょうか。
寝込みを襲うと言えば人聞きが悪いのですが、”寝込みを写す”というのは魚達のスナップによく使う私の手段です。日中は素早い動きでなかなか私の思うようにモデルになってもらえない魚達(種類にもよりますが)も夜半前にもなりますと目に見えて動きが鈍くなってきます。その頃を見計らっての写真撮影となるのですが、こちらが派手な動きをしますと万事休す。じっとチャンスを狙っているうちに私のほうが眠ってしまいそうになる事もしばしば…。
先日も眠気まなこの私の前を素早い動きで、急降下のヨシノボリ氏(写真)
オット、寝込みを襲われてしまったのはどうやら私のほうだったようですね。

更新日付:2000.06.18

2000.06.25  Rhodeus ocellatus ocellatus

6月第4週  今週はここ大阪では梅雨らしい天気が続き何となくけだるい一週間でしたが、皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか。 「水槽が何となく殺風景で魚達が可愛そうじゃない」我が家の園芸部より指摘を受けまして、過去に草魚の餌以外は水槽に入れなかった水草を一大決心の末、購入することにしました。ショップのマスターは今までに無い私と水草の取り合わせを不思議に思っている様子…家に帰って早速、水草を水槽の片隅にレイアウトしてみました。これはこれは雰囲気が良くなりました。初めにやって来たヨシノボリ達は見え隠れしながら結構、気に入ってるようで、陣地争いまで始めました。その日は私も満足して翌朝…綺麗だった水草の数本が水中遊泳、葉もちぎられて散乱し原型を留めない状態となり、2日後にはついに茎だけと化してしまいました。どうやら我が家のメンバーには水草は似合わなかったようですね。すずしい顔で泳いでおられるアブラボテさん、あなたはこの一件に一役かわれたのでしょうか。

更新日付:2000.06.25

2000.07.02  Micropterus salmoides

7月第1週   7月に入り梅雨の合間にのぞく日差しはもう真夏の装いで、川遊びが待ちどおしいという処でしょうか。
今週も相変わらずギャラリー不足のブラックバスさん、以前より密かに狙っていた”プライベートショット”に挑戦することにしました(都合により彼のイメージアップショットは一時、断念ということに…) 私が近づくといつものように餌の催促が始まります。最近ではアクリルの上蓋を突き上げる音で私にアピールして戴いております。とりあえずはお食事、いつもの解凍した海老を2匹平らげて少しは落ち着かれたでしょうか。食後はいつものお気に入りの場所でじっと私と睨み合いです。30分程経過した時点で一回目の…。初めはカメラとの距離合わせです。さらに20分経過あたりで2回目の…。こちらも不意に始まる行為なので慌ててしまい失敗。さらに30分後、今度は私が少し目を離したすきに終ってしまい失敗。こんなことを繰り返しながら随分にらみ合いが続き延べ3時間が過ぎました。その甲斐あってご覧のとおりの”大あくびショット”の撮影に成功しました。お口の中は意外とお手入れは行き届いておられるようですが、この形相はもちろんイメージアップ…とはいきませんよね。

更新日付:2000.07.02

2000.07.09  Candidia temminckii

7月第2週  今週になって急に梅雨空が吹っ飛んでしまい、いきなりうだるような暑さとなりました。こう暑い日が続きますと私などはいわゆる夏ばて状態に陥るのですが、水槽の各面々は相変わらずの食欲で頼もしい限りですね。夏の水槽は水温上昇に伴う酸素不足に注意を払っており、家中にエアーポンプのノイズが輪唱となり少々肩身の狭い思いをしております。この音も慣れれば心地よいとは言わないまでも気に成らなくなるもので、違う意味で私は夏らしさを感じるのですが…。
この時季、魚達の食欲はたいへん旺盛になりそれぞれに恰幅が増すのですが、婚姻色の美しいカワムツ氏は少し食べすぎのようで、何事も中庸が宜しいのでは…。

更新日付:2000.07.09

2000.07.16  Procambarus clarkii

7月第3週  快晴の日曜日、久しぶりに木津川へ出かけました。今回の目的は主に我が家で人気のヨシノボリのフィールド観察と採取にあります。炎天下、水温も暖かく川遊びにも最適の日和となり、久しぶりにウエダーからも開放されて、水中眼鏡とシュノーケルで魚達の観察です。スプリンターのオイカワやカワムツ達は水中に差し込む太陽にキラキラピカピカ、体表を輝かせて光の乱舞というところでしょうか。浅瀬の砂礫には目的のヨシノボリやヌマチチブが…。こちらはみなさんのんびりと、突然参入した私にも逃げ去ってしまうことも無く、いつものユニークな仕草を披露してくれます。自然のフィールドで見る彼らのこの世界は、もちろん筆舌に表す事のできない正に桃源郷です。この時季、このシュチエーションを私の水槽に再現することが出来ればどんなに素晴らしいでしょうね。真夏を目前にして、毎日でも訪れたい別世界へみなさんも出かけられては如何でしょうか。ところで今回の採取した魚達は多岐にわたり、目的のヨシノボリとヌマチチブ以外はお引取り頂きましたが、オイカワ、カワムツ、ドンコ、ヨシノボリ、カマツカ、ニゴイ、ヌマチチブ、フナ、タナゴの9種と成りました。珍客としましては、開口一番にゲットした写真のアメリカザリガニです。青空と対照的な赤色がとても夏らしく感じられませんでしょうか。

更新日付:2000.07.16

2000.07.23  Rhodeus ocellatus ocellatus

7月第4週  今週になって近畿地方もようやく梅雨明けとなりました。早速、休日は木津川に繰り出す予定がいろいろ所用と重なり、仕方なく水槽の木津川を楽しんでいる次第です。先週、木津川より入居のヨシノボリ、ヌマチチブ達も順調に別室でのウオーミングアップを終えて雑居水槽の仲間入りです。先日来、水草レイアウトの夢を断念。替わりまして木津川風石組レイアウトに挑戦です。魚採取時に川原より、適当な大きさの石を集めてきまして、雑居水槽(120cm)の中央に配置しました。情景のレイアウトは現地調査済みですので…私としましては、満足の木津川風ジオラマの完成というところでしょうか。嬉しいもので、早速ヨシノボリ達が陣地を構えだし、お気に入りの場所作りが始まりました。水槽レイアウト中は魚達が右往左往の大騒ぎで、たいへん迷惑をお掛けしました。これはこれは相変わらず美しいタイリクバラタナゴさん、勿論あなたを忘れていたわけではないのですよ…。

更新日付:2000.07.23