日本産淡水魚・熱帯魚編 - 淡水魚話 - 2000年

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2000.07.30  Rhinogobius brunneus

7月第5週  連日暑い日が続き、雑居水槽の水温計もうなぎ上りに上昇しております。我が家では魚達が体調を崩す前に、酷暑用対策として、今年からエアレーション最強化計画を推進いたしております。この時季、魚達の体調不良は実に厄介で、病気の誘発はおろか、即刻、他界という事態も過去に経験しておりますので…。
高水温が原因で水中の溶存酸素不足が生じ、その為に起る魚達の体力と免疫力の低下を出来る限り抑えるのが目的で、120cm水槽に5台のエアーポンプをはじめ、全ての水槽を水泡で埋め尽くすほどのエアレーションを実施しております。加えて出来る限り水温上昇を抑える為に、魚の飛び出し防止策をほどこした上で、水槽の上蓋を全て撤去し、飼育水の蒸発を促しております。仕事を終えて帰宅後は、あらかじめ用意しておいた汲み置き水で、蒸発した飼育水の補充をおこないます。それにしても、10台を数えるエアーポンプのノイズ音は凄まじくて…。
しばらくの間、水泡でいっぱいの水槽は鑑賞には不向きと言えますが、元気に遊泳のお魚(写真)には問題ないかと。

更新日付:2000.07.30

2000.08.06   Rhinogobius brunneus

8月第1週  今週も晴天の日曜日に木津川へ出かけました。今回はヨシノボリ2匹、タイリクバラタナゴの幼魚とフナの幼魚をそれぞれ1匹ずつ持ち帰りました。滞在中の殆んどはヨシノボリとヌマチチブのフィールド観察を堪能してきました。ヨシノボリ達は私が近づいても驚かす事さえしなければ、こちらを別段、意識する事なく普段をエンジョイしているようで、水槽で見せる行動とは違った仲間達との戯れを観察する事ができます。水中に差し込む光の中の彼らはみんな活き活きと輝いています。カマツカが遠くから左右に体を揺らすようにフラフラとやってきました。砂を口で掘り起こしながらいつもの独特なスタイルです。近くまで来てこちらに気づくと踵を返して一目散。今度はヌマチチブがヨシノボリを追いかけています。フィールドが広いせいでしょうか深追いはしないようでターゲットを替えては又追いかけだしました。いくら見ていても見飽きる事が無くて気が付けば夕暮れに…。
この時季、ウイークデーは水槽で、休日になるとヨシノボリと同じフィールドで過ごす事を楽しみにそわそわとしております。今回は比較的、大型のヨシノボリが採取できました。私が気に入ったのは貫禄十分のビッグなヨシノボリ(写真)背びれをたたんだまま無防備で飄々としています。そっと差し出した手網にも逃げること無く、しばらく戸惑いながらも、そのうちに自分から入って頂けました。それにしても気に入ったヨシノボリの個体を観察しながら採取できるというのはまた格別な魅力で、私の大きな楽しみの一つです。

更新日付:2000.08.06

2000.08.13  Tetraodontiformes

8月第2週 8/5~8/6にかけて京都北部日本海へ磯遊びに出かけました。例年この時季は水が恋しくなり、木津川は勿論の事、ここ日本海にも繰り出しておりまして、海にはまた川には無い格別な魅力があります。毎年、海水魚達は遊泳観察だけに終るのですが、今年は手網での採取にも挑戦してみる事にました。磯では色とりどりのイソギンチャクや海草郡の間には名前も知らない小さい綺麗な魚が群れています。まずは採取に入る前に少し沖に出て魚達の観察をすることにしました。海水魚には川魚にはない派手な体色や姿形、種類に圧倒される思いです。少しでも大きな、綺麗な魚…潜りながら魚達に羨望の眼差しを送るうち、いつのまにか防波堤が遥か遠くに。ところで採取の方ですが、潜りながら手網で。というのは予想通り難攻を極め、早々の撤収となり、磯場での採取に切り替えました。今回、採取出来ましたのはハゼ科の何処となくヨシノボリに良く似た魚と最初に私の手網に収まって頂いたフグ(写真)の2種となりました。あれだけ色とりどりの魚達を観察した後だけに少し物足りない気はいたしましたが、楽しみは次回にも取っておく事に。ところで採取した魚を持ち帰る事は考えていませんでしたので、記念撮影用のプラケースもすっかり眼中になくご覧の通り、緊急の撮影スタジオはモデルさんには申し訳なかったのですがガラスコップという事に…。

更新日付:2000.08.13

2000.08.20  Cynops pyrrhogaster

8月第3週 今週は夏休みウイークで、これも年に数回訪れております、信楽まで足を運びました。道中での私の楽しみの一つに和束(わづか)川での採取があります。今回の採取の密かな目的はアカハライモリです。実は以前にも、採取したアカハライモリを飼っていたのですが、同居しておりました亀氏との間でトラブルが発生しまして、まんまと胃袋に納められるという苦い経験をしております。このイモリは比較的飼育が容易な上、仕草もユニークでよく見ると可愛らしい顔をしております。機会があればもう一度飼ってみたいと常々考えておりまして…。
和束川では、以前と同じポイントで、今回も網を入れてみました。結果は、アカハライモリ数匹の捕獲に成功しました。それにしてもお腹の鮮やかな色と多彩な模様がお洒落ですね。和束川での採取も無事に終了しまして、目的地の信楽に到着です。ここではもう一つ、私の目的の魚を見付ける事ができました。詳細は別室にて…。

更新日付:2000.08.20

2000.08.27  Pelteobagrus nudiceps

8月第4週 今週もここ大阪では厳しい残暑にみまわれ、水の恋しい日々の連続でしたが、皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか。さて、毎年恒例で夏に成りますと、我が家の水槽にニューフェイスが増えるのですが、今年も、主に木津川からトレードしました若魚達が、キャリア組に交じって水槽イメージの盛り立て役として活躍して頂いております。それはそうと、この夏は例年にも増して高水温が続き、メンバーの体力に私の管理能力をゆだねる緊迫した状況が長く続いております。そこで、以前にも少し触れましたように私流では有りますが、エアレーション再強化並びに水質維持、バランス栄養給餌を柱とした管理政策を推進し、メンバーの体力並びに免疫力低下を最小限に抑えるよう努力しております。あくまでも現時点で成果と言えるのかどうか疑問を残しながらも、大きな問題もなく酷暑をクリアーしていると言うところでしょうか。写真(下)のまだまだキッズなギギさんにとって、我が家の水槽の居心地はいかがなものなのでしようね。「逃げているんじゃない…」突然、家人の声。なにやらハプニングのようです。それでは来週も皆さんにはご機嫌宜しく。

更新日付:2000.08.27

2000.09.03  Cynops pyrrhogaster

9月第1週 9月になっても猛暑が続き、休日には川に出かけたいところですが、こう暑くては外に出るのも億劫になりまして…。
そのような時は我が家の木津川を楽しむのが一番と、椅子を持ち出して水槽の前に陣取ります。私が近づくと餌をもらえると思うのでしょうか、みなさん集まってきてくれます。こんな時は、それぞれの個体の行動をつぶさに眺めて楽しみながら、体調チェックもするようにしております。先日も水槽を眺めていますと、ヨシノボリの為に石組みのレイアウトを施してあるのですが、其の石の隙間から見慣れない顔が出ています。不思議に思ってよく見ると、細面のモツゴが、その体高よりほんの少し高いスペースに入り込んでいます。しばらくして出て行ったとおもえば又戻ってきます。けっこうお気に入りの隠れ家のようですが、ヨシノボリ達にすれば、風変わりな侵入者に迷惑な様子。管理人の私としましては、メンバーの全てに仲良くして頂くのが、なにりよりありがたいのですが…。
それはそうと先週のハプニングのご報告を別室にて。

更新日付:2000.09.03

2000.09.10  Rhinogobius brunneus

9月第2週  今週は3日の日曜日に木津川に出かけました。あいにく前日に少し雨が降った兼ね合いから水が濁り、視界の確保が困難な状態で、水中観察は断念する事に成ってしまいました。それに伴い本流での採取も仕方なくあきらめまして、久しぶりにワンドへフィールド移動です。今回はカワムツ、オイカワ、ギギ、ドンコ、ヨシノボリ、タイリクバラタナゴ、カマツカの7種の採取となり、それぞれ幼魚を数匹持ち帰りました。これから秋にかけて採取した魚達は、冬場の我が家の水槽の主役として、大いに活躍してくれることを期待しております。それにしても、私にとって水中観察の断念は非常に心残りで、素顔のヨシノボリやヌマチチブを楽しみにしていただけに…。
と、言う訳で、写真のほうも今週はフィールドを少し変えまして、スパイキーなヨシノボリショットです。

更新日付:2000.09.10

2000.09.17 Rhodeus ocellatus ocellatus 

9月第3週  今週も依然と暑い日が続いておりますが、一時期の猛烈な高気圧の勢力も陰りを見せ始め、朝晩はいくぶん過ごしやすくなってまいりました。我が家の水槽におきましては、まだまだ予断は許せないものの、高水温対策も一段落と言うところでしょうか。魚達も全てのメンバーが私のアバウト管理にも屈する事なく、ヘビーなサマーセッションを何とか乗り切って頂けたようで、たいへん嬉しく思っております。それはそうと、この夏増え続けたメンバーに、我が家の雑居水槽(120X45X45cm)は、(飼育水のpH値の降下状況から判断すれば)週に一度の部分換水で辛うじて、セーフティーラインをキープしていると言うところです。しかしながらこれ以上の過密化は週に複数回の換水を余儀なくされ、私の現在のライフサイクルでは充分な管理が困難な状況におちいりそうです。そこで一案は、新しい水槽の設置に行き着くのですが、最近も私の管理水族郡ではアカハライモリ騒動をはじめとして、家人には、多大な迷惑を掛けておりますので、スペース的問題も加味すれば、却下されることは火を見るより明らかで…。
どうやら解決の糸口は、深夜の水槽メンテナンスにおける私の体力と気力に掛かっているようですね。
今週はタイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus

更新日付:2000.09.17

2000.09.24  Rhodeus ocellatus ocellatus

9月第4週  ひと雨ごとに季節が進み、夏の終わりは何となく寂しい気がします。いろいろな行事も増えて、この頃から木津川に行く回数も少なくなってきますが、我が家の木津川では、夏季増員に付き大賑わい、大盛況と言うところでしょうか。写真(下)のタイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus は7月の最終の日曜日に木津川より入居のニューフェイス。写真では大きく見えますが体長約3cmとまだまだ幼魚で、背びれに黒班のなごりがほんの少し見受けられます。それにしてもこの時期の成長は目を見張るものがあり、体高も高くなり一月半で入居当初の1.5倍の大きさに。きびきびとした身のこなしは他の幼魚同様、みずみずしさが感じられます。

更新日付:2000.09.24

2000.10.01   Cynops pyrrhogaster

10月第1週  ここ数日、日中はかなり過ごしやすくなる反面、朝晩は冷え込むようになってまいりました。
目を皿のようにして見ていた水温計も眺めることすら忘れている状況で…。
この夏、水槽のうだる暑さを初めて体験されたアカハライモリ諸氏にも過ごしやすい季節が到来し、ひと息つかれたのか、たいへんご機嫌よろしく、水槽内の遊泳を楽しんでおられるように見受けられます。
それにしても水面下(写真)の表情とカメラに向かって私に頂く視線(別室)は随分と違うように思うのですが…。

更新日付:2000.10.01

2000.10.08  Cobitis sp

10月第2週  今週も魚たちには別段これと言った異常もなく経過し、安心して彼らの観察に専念できたというところでしょうか。毎年この時季を境にして、あくまでも私論ですが、観賞面から言えば、低温による行動力の低下抑制、また、病理面から言うと、日中の寒暖差による免疫力低下を抑える二つの意味合いから、保温を実施しております。あらかじめ保温器具のテストを済ませておき、彼らのテリトリーへ…。水槽内では大きなストレスを与えないように注意しながら作業をしておりますが、殆んどのメンバーは右往左往の大活況。普段は潜行志向のスジシマドジョウ氏(写真)、季節がら秋色のコスチュームがとてもお似合いですね。

更新日付:2000.10.08

2000.10.15  Cynops pyrrhogaster

10月第3週  保温器具の設置を先週行ってから、殆んど稼動することなく、今週は推移いたしました。
最近はもっぱらアカハライモリ諸氏(写真・別室)の観察とスナップ撮影に余暇を費やしております。彼らのユニークな仕草には思わず和んでしまい、時間の経つのも忘れて、つい見入ってしまいます。先々月採取しました個体には幼体も含めまして、今後の成長を大いに期待し、又、楽しみにしておりますが、私の率いる水族郡の家内勢力の拡大に家人からは冷ややかな視線も…。

更新日付:2000.10.15

2000.10.22  Cynops pyrrhogaster

10月第4週  8月に我が家にアカハライモリ諸氏が入居頂いてから早2カ月が経過いたしました。早々の脱走劇以来これといったトラブルもなく順調に過ごされております。ところで今まで御紹介が遅れましたが入居時より水槽の奥深く、隠ぺい生活をおくっておりました個体が最近になり無事にデビューとなりました。…といいますのも、他の個体や水草にまぎれて知らずに持ち帰り、入居時に初めて幼生のアカハラベビーの存在に気付いた次第です。
残念な事に幼生の写真は撮れなかったのですが、いつのまにか無事に変態されたようで、上陸となりました。現在(幼体)の写真ではまだお腹は赤くないのですが、容姿はほぼ成体に近く、とても可愛い時期ですね。 毎朝、ライトを点けますと水槽ガラス壁に上る光景(写真下)が見受けられます。
別室(1234)ではアカハラベビーの写真を数点、展示しておりますので是非ご覧下さい。

更新日付:2000.10.22

2000.10.22   Rhinogobius brunneus

10月第5週  今週もアカハライモリの水槽にかなり意識がいっておりましたが、雑居水槽のほうでは数週間前からヨシノボリ氏がお気に入りの石の下でせっせと穴堀りを始めておられました。そうこうしている間に先週、石の下に産卵したようで、ひらひらと卵らしいものが見受けられるようになりました。よく見ているとオスのヨシノボリが卵の保護で、鉄壁の防御体勢に入り他の魚を寄せ付けません。
我が家では、以前からヨシノボリの産卵の機会に合いながら陽の目を見ない事の繰り返しで、今回もいつの間にか卵が無くなってしまい残念な思いですが、最初から繁殖を目的とした環境設定を施さないのと、いわんや過密傾向の雑居水槽の事ですし、無事に孵化までこぎつけるというのは難しい事でしょうね。それにしても奮闘した甲斐も無く巣から離れたオス(写真)を見ているとたいへん申し訳なくて…。ヨシノボリファンの私としましては、改めまして繁殖には挑戦してみたいと考えております。ところで今週のアカハラ氏(別室)は…。

更新日付:2000.10.29

2000.11.05   Rhinogobius brunneus

11月第1週  11月に入り朝夕、冷え込むように成ってまいりましたが、我が家の水槽は今年は全室暖房完備。さて水槽の皆々様には快適に過ごして頂いてるのでしょうか。先週に引き続きまして失敗に終わったヨシノボリの産卵劇ですが、今週初めに、またもや同じ石の下に卵が産み付けられオスのヨシノボリが厳戒態勢に入っております。よく見ておりますと、深く掘り込まれた巣の中に孵化をうながしているのでしょうか、卵に新しい水を送り込むように一生懸命に鰭を動かしています。その献身的な彼の態度に頭の下がる思いでガラス越しにエールを送っているのですが…。
今週はオーソドックスで落ち着いた魅力のヨシノボリさん、あなたは今回が初出演でしたっけ。

更新日付:2000.11.05

2000.11.12  Tanakia limbata

11月第2週  最近は休日に所用が重なりフィールド観察並びに採取の機会に恵まれず、何となく物足りなさを感じておりましたが反面、我が家の水槽におけるメンバーの充実、成長による充足感において相殺されていると言うところでしょうか。いずれにしても精神的なストレスの緩和を魚達に一役かっていただいている限りパートナーとしての債務を果たすべく深夜の水替えを遂行しておりますが…。
今週はタナゴファミリーの雄。アブラボテTanakia limbata

更新日付:2000.11.12

2000.11.19   Cynops pyrrhogaster

11月第3週  週の半ばに、イモリ水槽からアカハラベビーのプラケースへの引越しを敢行致しました。食におきましてはメイン水槽でアカムシに慣れていた加減でしょうか、箸で口先に運ぶだけでこちらの意向が伝わり、スムーズに給餌が勧んでおります。今週も我が家の水族群はいずれの個体も食欲、行動、共に問題なく推移し、現状においては私的管理サイクルが功を奏していると言うところでしょうか。

更新日付:2000.11.19

2000.11.26  Rhodeus ocellatus ocellatus

11月第4週 少し前の話に成るのですが、久しぶりに家人と市内の熱帯魚ショップへ出かけた時の事です。
最近のショップは水族館も顔負けの美しさと個体数の多い事に驚かされますが、私の好きな日本産淡水魚の水槽は、比較的少なくて残念な思いです。たくさんの魚達を一通り見終わって帰りかけた時に”餌用タナゴ”と書かれた札が目に入りました。稚魚から幼魚まで千差万別の大きさのタナゴ達が数百匹、ひしめき合って泳いでいます。いつの間にか時間を忘れて見入ってしまいました。あまり熱心に見ていたからでしょうか「大きいの入れますから…。」スタッフの方に声をかけられ、思わず買ってしまいました。少し離れて笑っている家人を除いて誰も気が付かないでしょうね一匹、十数円のタナゴ達がこの店で一番気に入ったなんて…。
写真(上)のタナゴはその中で、私の一番お気に入りの個体です。思いがけないきっかけで我が家に転居のタナゴ達は予備水槽でウオーミングアップを無事に終えて、雑居水槽で元気に泳いでおります。
23日 カム(以前飼っていたカムルチー)が逝ってから一年が経ちました…。

更新日付:2000.11.26

2000.12.03  Rhinogobius brunneus

12月第1週 師走に入り何となく気忙しい毎日を送っておりますが、水槽のメンバーには今週も平穏な時が流れ、ガラス越しの彼らには私の行動がどのように写っているのでしょうか。毎朝、足早に魚達の観察と給餌を済ませて家を後にするのですが、のんびり出来る休日には、彼らの食事が終わるまで水槽を覗き込んでおります。給餌後の様子を興味深く観察しておりますと、一時、慌しい彼らも一段落つけば、各自その行動にブレーキがかかり、水槽内は喧騒から手のひらを返すように静寂が訪れます。食を満たされた彼らを見ていると何となく睡魔にみまわれそうで…。
写真のヨシノボリもたらふくご馳走を召し上がったのでしょうか、お腹のあたりが少し苦しそうですね。

更新日付:2000.12.03

2000.12.10  Acheilognathus rhombeus

12月第2週  今週は公私ともに多忙な一週間となり、魚たちの観察も滞りがちに成ってしまいましたが、水槽内ではいろいろなドラマが繰り広げられております。ヨシノボリ達の陣地争奪戦は頻繁に行われる日常行事、威嚇し合う姿は正に真剣勝負。幼魚のギギはエアレーションのバブル内の上下運動に余念がありません。写真のカネヒラは体長が大きい事もあり他の魚たちにはおかまいなしに、ご覧のとおり、優雅に水槽遊泳を楽しんでおられます。ダイナミックな背びれは相変わらず素敵ですが、大きく広げた扇は他の魚に対する威圧なのでしょうか、相棒に向ける自己顕示なのでしょうか。

更新日付:2000.12.10

2000.12.17  Odontobutis obscura

12月第3週  師走も中盤になり寒さに加速度が加わりだしたような昨今ですが、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。今週は雑居水槽において写真のキッズなドンコ氏がヨシノボリを食すると言うハプニングがありました。まだまだ大丈夫と鷹をくくっていた矢先の出来事に別居水槽の準備が出来なくて、咄嗟に思い立ったのが物置にあった虫カゴです。少し窮屈では在りますが暫くは虫カゴと一緒に沈んでいただく事になってしまいました。給餌は、と言いますとおもむろに引き上げたカゴの中にアカムシを差し入れて入り口をロック。残ったアカムシは網の隙間から次第に出て行き、待ち受けていた連中がおこぼれに預かるという効率良いサイクルです。しかしながら牡蠣の養殖ではあるまいしドンコ氏の養殖カゴとは…。

更新日付:2000.12.17

2000.12.24   Rhinogobius brunneus

12月第4週  先週のドンコ氏隔離以来、ヨシノボリファミリーには平穏な生活が戻り、行動にも余裕が伺えるようになってまいりました。相変わらず仲間内での争いは行われているとは言うものの、熾烈な生存競争劇とは異なり、いわゆる”たわむれ”状況に安心して見ておれるというところでしょうか。一方の治外法権、一人きりでクリスマスイブを過ごす事になってしまった虫カゴ部屋のドンコ氏は、近くを通り過ぎる魚達を尻目に苦虫を噛み潰したような、毅然とした態度で、私に抗議の視線を送っておられるようなのですが、新居が用意出来るまで暫くご容赦を…。
今週は、そっと覗き込んだ水槽をお気に入りのヨシノボリ氏(写真)が通り過ぎました。

更新日付:2000.12.24

2000.12.31  Cyprinus Carpio Linnaeus

12月第5週  今年で3回目と成りました年末恒例の厳冬採取は今回も奈良へ出かけました。採取した魚はオイカワ、カワムツ、アメリカザリガニ、写真の鯉は昨年を5cmも上回る55cm と手網での最大サイズを更新する結果となりましたが、おかげで手網のフレームが変形してしまいました。彼らの採取ポイントは今年も変わることなく、冬眠中の寝込みを襲う作戦で、網を差し入れると向こうから突進してくる状態です。今年はこのクラスの鯉を3匹捕獲、記念撮影後に再びねぐらに帰って頂きましたが、来年も環境の変化に負けず、元気で居てほしいものです。

更新日付:2000.12.31

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